公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~
脱がされるのではなく、自分で脱ぐ……そのことに戸惑って動けずにいたら、生ぬるい覚悟でいるのかと勘違いされてしまう。
「俺を虜にさせると豪語していたくせに、怖気づくのか? 汚い体に興奮することはないから、見せてみろと言ってるんだ」
「私は綺麗よ。純潔を守っているわ」
「そういう意味じゃない。俺がお前に欲情できるかどうかが重要だ。お前が生娘であろうがなかろうが、どうでもいい。どうせ妻にはできないのだからな」
妻にはできない……その言葉に引っかかりを感じて、私はまた考え込む。
そういえば、彼の妻の座に納まるという野望は持たなかった。
ジェイル様が未婚であることを知ったのは、ゴラスで馬車を止めた後のこと。
ゲルディバラ伯爵の末娘が出てきて、伯爵が行く行くは娘を妻にしてほしいというようなことを言ったときだ。
私としては、彼に妻がいてもいなくても構わない。
彼の妻よりも気に入ってもらえるような関係になればいいのだから。
私自身の幸せなど望んでいない。
愛人で結構なので、ゴラスを救うと約束させたい……望みはただひとつ、それだけだ。