へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする


「あっ、ルキっ‼」



跳ね上がるようにして立ち上がった私と、5メートルほど先にいるルキの視線が交錯する。



「あ……うん、おはようメイベル」



ルキは力なく笑い返し、すぐさま私から目を逸らした。

なんだかやっぱり様子がおかしいな、と疑問を抱きながらもルキの元へ駆け寄って行く。



ルキの前まで来て足を止めると、ルキもまた足を止めた。



「ルキ……大丈夫?なんだかいつもと様子が違うから心配だよ。昨夜もいきなり帰ろうだなんて…魔力をたくさん使い過ぎてしまったから疲れちゃったんだよね?」



ルキは眉間に深いシワを寄せ、私の問いかけには何も答えようとせず顔を俯けた。



「ねぇ、ルキ……?どうしたの?」



もしかしてルキは体調が悪くなってしまったから、急に帰ったわけではなかった?



魔力の使い過ぎで体調が悪いだけなら、目も合わせてくれないし、会話もしてくれないのはさすがにおかしいと思った。

もしかしてルキは、私のことを避けている?



どうして?

なんで?



私が昨晩、魔獣が怖いからってずっと抱きついていたりしたから?

ルキは何も言わなかったけれど、本当は嫌だった?



それとも私がへなちょこ魔法使いだから?

ルキに守られてばかりで、何もできないから呆れられた?



ルキに嫌われてしまったんじゃないかと思うと、こみ上げてくる涙でルキの顔が霞んできた。

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