へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする
「ねぇメイベル、どうしたの?授業中ため息ばっかりついてなかった?」
一時間目の理科が終わったあと、隣に座っていたエイミーがさっそく声をかけてきた。
すると私の前に座っていた、肩までの長さの黒髪のアシュリー・ドイルもエイミーの声に反応したのか振り返った。
アシュリーは赤いフレームのメガネがよく似合っている小柄の女の子。
恥ずかしがりやだから人前に立つことが大の苦手なのだけれど、真面目な性格だからかカサエル先生にクラス委員長に任命されている。
誰に対しても優しいから、クラスの癒やし的な存在でもある。
そんな天使のような彼女だが、姉はなんとあの厳しいエリノア寮長だというのだから驚きだ。
「実は私も、メイベルが元気なさそうだから授業中ずっと心配してて……。その、何かあったの?私でよければ聞くよ?」
エイミーも「そうだよ」と言いながら、アシュリーの隣でコクコクと頷いている。
ルキにフラレるかもしれない。
だなんて恥ずかしいからあんまり言いたくないけれど、でもひとりでルキにフラレるかもしれない恐怖と戦うのも辛くて。
もごもごと言葉を濁しながらも「ルキに……フラレるかも」と2人を交互に見ながら話した。
「えぇーっ⁉」
アシュリーもエイミーも、目を見開きながら声をあげた。
2人が驚くのはわかりきっていたことだから、その反応は私の予想どおりのものだった。