へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする
「ぎゃっ‼痛いっ!」
地面に倒れ込んだ拍子に、枯れ葉の中に顔が埋まってしまった。
その直後、バキバキとあたりの木々をなぎ倒しながら、白く大きな何かが勢いよく飛ばされてきた。
白く大きな何かは勢いを保ったまま、秘密のアトリエらしき小屋の屋根に突っこんでいく。
小屋の屋根を吹き飛ばした挙句、さらに木々にぶつかった白く大きな何かはそこで力なく地面に崩れ落ちたようだった。
「びっくりしたぁ……」
薄目をあけると、視界に飛び込んできたのは地面にうずくまる私の傍らで、ウサギの姿に戻り横たわっているピーちゃんだった。
白い何かにぶつかられた衝撃のせいなのか、変身もシンクロも解けてしまったみたいだ。
「あっ‼ピーちゃん‼」
ピーちゃんの小さな右後ろ足を、飛ばされてきた白い大きな何かの一部が押しつぶしていることに気が付いた。
蛇の尾の先にも似た、先端を細く尖らせた何かをどかし、傷ついた小さな身体を両手ですくいあげる。
「ごめんねごめんねっ‼ピーちゃん……私を庇ったばかりにっ‼」
私の涙がピーちゃんの頬に落ち、気を失っていたピーちゃんは「ピピ……」と弱々しい声で鳴きながら目を開けた。
「守ってくれてありがとう…」
小さな身体をぎゅっと胸の前で抱きしめた。
「いったい何があったの……?」
壊れた小屋の周りに無数に散らばっている屋根の木片や、倒れた木々の枝。
白く大きな何かが飛んできた方角を見れば、根本からポッキリと折れた木々が奥に向かって真っ直ぐ伸びていて、まるで道のようになっている。