へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする
「お前と俺はクラスメイトなんだから、助けあうのは当然のことだろ?お前が生きてたんだからそれでいいんだよ」
「ライザ……」
ライザの口から飛びだした思いもよらない優しい言葉に、目の奥が焼けるように熱くなった。
ライザのことなんか大キライだった。
嫌味でいじわるで、横暴で自慢げで…あげるときりがないくらい、嫌いなところはたくさんあって。
いいところなんてただの一つもないと胸を張って言えるくらい、嫌いだった。
でもこうしてライザに助けられたことで、本当は優しい人なんだって知れた。
だから今は、前ほどは嫌いじゃない。
もしかしたら私とライザは友達になれるんじゃないかと、そんなことを思ってしまうくらい印象が変わった。
「ありがとう……嬉しい」
「あっ!助けあうって言ったけど、この俺がお前みたいなへなちょこの万年最下位に助けられる瞬間なんかないかぁ」
「えぇっ⁉もうっ……‼人がせっかく感動にひたってるっていうのに…」
ライザの余計なひとことのせいで、高ぶっていた感情は急降下してしまったけれど。
それでも私の中で、ライザの印象は『実は優しい人』というまま変わったりはしなかった。