秘密の糸Season1㊤
「お邪魔します…」


私は靴を脱ぎ、リビングに向かった。


「多分、夜には来るから待ってみたら?今、お茶淹れるから」


晋一君はそう言って、キッチンに向かった。


だけど私はその時…


晋一君と二人で今、一緒にいる事が嬉しかった…。


私、秀一がいるのに最低だ…。


コポポポ 


お茶を淹れる音が聞こえた。


そして晋一君は、お茶を持って渡してくれた。


「はい」


「ありがとう」


そしてお茶を受け取り、私達はソファに座って飲んだ。


飲んだ瞬間、一気に気持ちが、落ち着いた。


でも、この二人だけの空間にまだドキドキしてしまった…。


秀一と喧嘩をしてしまう時も、


晋一君の事を考えてしまう…。


あの日私は、写真の円花さんを見つめる晋一君の目が忘れられなかった。


円花さんが、心から羨ましいと思った。


あんなふうに愛されて…


いいなあ…と思った。


そして…今、自分の気持ちに気づいた。


今、この瞬間を私だけの物にしたい…。


晋一君を…。独り占めしたい…。


この時間だけで良いから…。


一度だけ…。一度だけで良いから…。


彼を…、独り占めしたい…。


一度だけで良いから…。


その時私は、晋一君にキスをしていた。
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