秘密の糸Season1㊤
私は、着物を脱ぎシャワーを浴びた。


シャアアア


シャワーが、今の苦しい状況の私を開放してくれた。


その時私は、また涼汰君の事を思い出してしまった。


忘れないといけないのに…。


忘れようとしようとすればするほど、


どんどん涼汰君の事を思い出してしまう…。


私…全然忘れてなんかいないんだ…。


さっき繋いだ手の感覚が、まだ私の手には残っていた。


キュ


そして私はシャワーの蛇口を閉めた後、バスローブに着替えた。


部屋に戻ったその時、涼汰君はソファに座っていた。


(…待っててくれたんだ…。)


その時、涼汰君は私に気づいた。


「じゃあ俺、帰るわ。これ、飲み物とメシな。」


「ありがとう。」


その時


♪♪♪


私のスマホが鳴った。
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