秘密の糸Season1㊤
「…どうしたの?」


「…浴衣、俺が1番最初に早く見たかったのに兄貴に先越された。
円花の事助けれなかったし、マジ悔しい…。
格好わりぃ俺…。」


そう言った晋ちゃんの顔は少し、赤くなっていた。


「えっ?」 


(晋ちゃん、ヤキモチ妬いてくれてる…?)


私は嬉しくなった。


「ごめん俺、大人気なかったな。浴衣かわいいな。
似合ってる。」


「ありがとう!…晋ちゃんも浴衣似合ってる…。
…格好良いよ…。」


「…ありがとう。」 


晋ちゃんの浴衣姿を見て、私はドキドキしてしまった。


「……」


「……」


そして、しばらく無言になってしまった。


(どうしよう…)


その時、晋ちゃんが口を開いた。


「今からちゃんと挽回するから、円花の行きたい所言って。」


「じゃあ、フランクフルト食べたい!!」


そして私は、斜めにあるフランクフルトの屋台に指を指した。


「分かった。」


そう言って晋ちゃんは、フランクフルトの屋台に入っていった。


しばらくして、フランクフルト一本を買って戻ってきた。
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