秘密の糸Season1㊤
❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈

❴回想❵

あれは高2の時


SistarGirlにスカウトされた後だった。


部屋には、当時付き合っていた和真がいた。


「はあ…どーっすかな…。モデルなんて…。」


「お前がモデル?ありえねえよ」


「だよな…んっ…和真…!」


「お前はこうして、俺に満足させてくりゃ良いんだよ。」


こいつは所詮、ウチの身体目当てで付き合ってる。


(…まあ、和真の言う通り、モデルなんてありえねーよな)



「んっ…ハァ…っ」


ヤッてる最中、リモコンを踏みテレビが付いた。


パッ


その時、藤谷先輩がTVに出ていた。


「今日のゲストは藤谷唖伊羅ちゃんです!」


「こんにちは。」


その時、藤谷先輩は18歳だった。


「どうして読者モデルになろうと思ったんですか?」


「最初は私、モデルなんて興味なかったんです。


ずっとこの目とか、身長とかがコンプレックスでした。


男子にはバカにされるし。


友達は、モデルみたいで羨ましいとか言ってくれたけど…


内心はバカにされているんじゃないか…って


だから素直に受け止められなくて…。


そんな時SistarGirlにスカウトされました。


最初はすごく、とまどいました。


自分なんかが良いのかな…って…。


でも気づいたんです


《コンプレックスをあえての自分自身の武器としよう
と…》


私みたいに同じように悩んでる人もきっといると思うんです。 


だからこそ、私はバカにしてきた奴らを見返そうと決めました。


そして、《こんな私でも、輝ける場所を見つけたと言うことを…》


そして、《私と同じ悩みを抱えている人を知って欲しい》


そう思ったから、この仕事をやりました。


ウチはその時、その言葉が胸に刺さった。


まるで、自分の事を言われている気がした。
❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈
< 435 / 642 >

この作品をシェア

pagetop