秘密の糸Season1㊤
「この言葉がウチには忘れられなかったんです。
何かまるで、この世界に引っ張られたみたいな気がして…。」


「なるほど…。良い言葉ですね。」


そう言って須藤さんは笑った。


この人と話すと落ち着く。


普段、語らない事も語ってしまう。


不思議…。


「藤谷先輩みたいには慣れなくても、
これからウチらがそう言う事を教えられるモデルになれば良いと…
コンプレックスに悩んでる人を勇気づけられたら、
まだ自分の良さに気づいていない人達を輝かせたら良いなーって
そう思ったから、モデルになりました。」


気がつけばウチはペラペラ話していた。


(ヤバ…語りすぎた…。)


「…すごいですね盟加さん…。
僕も昔から小説家とか、そういう仕事に就きたくて、
だけど中々見つからなくて、普通のリーマンやってたんですけど
けどやっぱ何か違うなって…。
そんな時、雑誌の編集部で働いている友達に久々に会ったんです。」
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