秘密の糸Season1㊤

「え?」

突然のことにあたしは驚いた。


「…君と初めて出会った時、困ってた俺を君は助けてくれた。
本当に優しい子だなと思った。

その後君からツイッターのフォローが来てDMが来た時、

最初はびっくりしたけど嬉しかった。

そこから君とDMでのやりとりをするうちに俺はだんだんと楽しくなった。

来ない日はずっとモヤモヤしながら君からのDMを待っていた。

京都異動が決まる前に俺は、彼女から突然別れを告げられた。

俺は突然のことで頭が真っ白になった。

どうしたらいいか分からなかった。

ちゃんと彼女に京都異動の話をすることが出来なかった。

でも、君には色々お世話になったしちゃんと言いたかった。

だからあの最後のDMを送って終わらせようと思ったんだ。

だけど君は、そのDMを見て駅まで来てくれた。

俺はそこで自分の気持ちに気づいた。

君を求めていることに

君から告白された時、本当に嬉しかったんだ。

京都にキミを強引に連れて行った時、気持ちが通じ合えて本当に嬉しかった。

だけど君の事を考えずに、強引に連れて行ったこと本当はずっと後悔してたんだ…。

本当にすまない…」

雅昭さんはそう言って頭を下げた。

「雅昭さん…」

(そんなふうに思ってくれていたなんて…謝らないといけないのはあたしだよ…)

「頭上げてください、話してくれてありがとうございます。」

「今更で本当にすまない…。」

「いえ、雅昭さんの気持ちがちゃんと聞けて良かったです。」

「ありがとう。」

私もあのことを話すことにした。

「雅昭さん、実はあたしも話があるんです。」

「え?」

「…ごめんなさい!

実はあたし彼氏がいるんです…!

だけどずっと関係がギスギスしたままで…

そんな時雅昭さんに出会って、あたしは雅昭さんに一目惚れしました。

雅昭さんがあたしのこと褒めてくれた時、本当に嬉しかったんです。

あの出会った日を最後にしたくなかった。

だからあたしはツイッターで雅昭さんの名前を検索しました。

アカウントを見つけた時、本当に嬉しかった…。

あたしは繋がりが欲しかったんです。

あたしも雅昭さんとのDMのやりとりが本当に楽しかった。

でも彼女がいるのを知って一度諦めた。

だからDMを送るのもやめた。

けど雅昭さんが京都異動の話を教えてくれて、

やっぱり…あたしは諦められなかった。

だから駅で、自分の気持ちを伝えて終わりにしようと決めました。

だけど関係を持ったあの日からあたしはもう…雅昭さんを忘れるなんて出来ないんです!」

「舞由香…ありがとう。」

雅昭さんはそう言って、あたしを抱きしめた。

あたしは背中にしがみついた。

「俺も忘れるなんて出来ない…。俺にはもう舞由香しかいない…。」

「あたしも…雅昭さんを忘れるなんて出来ないです…。」

「舞由香、俺はもう覚悟は出来てる…。君に相手がいても関係ない、俺は君と堕ちるよ。」

雅昭さんがその言葉を告げた時、あたしの中で何かが切れた。

「…あたしも一緒に堕ちます。」

許されない恋でも、あたしは雅昭さんと堕ちると決めた。

「おいで」

差し伸べられたその手をあたしは掴んだ。

そしてあたしは、雅昭さんの家に向かった。
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