プレシャス~社長と偽りの蜜月~
私が外出するのは週に一度の病院通い以外、これと言ってない。


私は自室のソファに座り、スマホを撫でて、雅人と撮ったハネムーンの写真を眺める。


事故に遭う以前に持っていたスマホは失くしてしまった。スマホさえあれば、その中に保存された写真などを使って私の失った記憶を辿るコトも出来たかもしれないのに残念だ。

新たに持ったスマホは雅人のスマホと色違いのアイフォン。


「!?」

スマホを弄っていると仕事中の雅人から『Line』メッセージ。


「夜はどんなに遅くても帰宅する。朱音を一人では寝かせておけない」

そんな言葉だった。





夜のおつとめからは暫く解放されたと思ったのに・・・今宵も雅人に啼かされるのかと思うとカラダが熱くなった。


夫に愛され過ぎて困る新妻。

夫を亡くした母からしてみれば贅沢な悩みだろう。

私は夜の仕事に向けて日中から就寝した。





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