プレシャス~社長と偽りの蜜月~
PART8*仮面夫婦の妊娠
離婚、離婚と言いながらも、表向きは仮面夫婦を演じた。

秘書の仕事も少しずつだけど・・・こなせるようになった。

「妊娠の兆候はないの?」

久し振りに3人揃っての休日の夕食。
母の最近の関心は私の妊娠。

「こればかりはいつになるか・・・」
雅人は苦笑いで返した。


「このまま子作りに専念するのかと思ったけど、まさか復職するなんてね・・・」

「色々と外に出て刺激を貰った方が記憶も早く戻せるからしれませんし」

「雅人君は朱音に優しいから・・・」

私は黙ってサラダを口に運んだ。

妊娠の兆候・・・

そう言えば、生理が遅れているような感じがしないワケじゃない。


私を無理矢理抱いてから・・・雅人は私を求めなくなった。

短い蜜月だったけど、私のカラダには雅人の存在が深く刻まれていた。





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