またあう日まで
キーンコーンカーンコーン…
3時間目が終わるチャイムが鳴る。
う〜んと背伸び。
……眠たい。
「次は………数学………!?す、すうがく……!!?」
ガクンッと机に顔を乗せる。
4時間目に数学はきついってぇ………!
ああぁーと唸っていると、教室のドアがガラッと開いた。
思わずビクッとしてしまう。
「………あ。」
「ちーっす誠(マコト)ー!お前相変わらず遅刻常習犯だな〜」
「うっせ、そこどけ。」
「お〜怖ぇ」
ドアが開いた先
そこには
「……あ、朝、バス停で会った…!」
今朝会ったばかりの、あの悪態つき男子が。
「………」
ここでも無視するの!?
というか、ここに来るってことはもしかして……
…同じ…クラス……!!?
「な、なんか…朝はごめんね…?」
「……」
「お、同じクラスみたいだね〜……!」
「……」
「…名前、何ていうの?」
「……おい。」
「は、はい。」
「お前じゃねぇ。なあ、こいつ誰だよ。」
今朝と変わらない会話のテンポ。
………こっちがニコニコしてやってるのに……!!
今朝といい今といい、いくら何でも扱いが酷すぎるよ…
「ま、誠くん昨日いなかったもんね。
彼女は綺島沙華さん。昨日からこの中等部2年に転入してきたんだよ。」
「…間違いじゃねぇのか。」
「失礼だな!間違いじゃないわ!」
「あっそ。」
自分から聞いたくせにそっけない返事。
本当に腹が立つ。
今すぐその憎たらしい口縫ってやろうか……!
まともな思考が出来ないくらい、イライラが溜まっていく。
「キィィィィィ………!!!なんなのあいつ……!!」
そう言いながらそいつの背中にキッと睨みをきかせていると
「まあまあ、綺島ちゃんっ!落ち着いて!誠は普段からあんな感じなんだ。」
斜め後ろからそう声が聞こえたので振り向くと、身長の高い女の子が立っていた。
「でもさすがにあの口調はねー……直せって言ってるんだけど…」
「え、えっと……そ、そうだよねぇ〜〜…!いくらなんでもあれは、ひ、酷いよねぇ……」
「…………ぷっ、あっはっはっは!!そんな怯えなくても、流石に誠も取って食ったりはしないさ!……あ、自己紹介がまだだったね。私は青葉千尋(アオバ チヒロ)、これからよろしく!」
ハキハキと話すその姿を見て、少しかっこいいと思った。
青葉…千尋ちゃん……
可愛らしい名前だ。
「よ…よろしく…!」
「うんうん!よろしくねっ」
お互い手を出して握手する。
……ちょっと照れくさいけど、
たまにはこういうのもいいよね。
「……うぜぇ。」