またあう日まで
「……え?」
「綺島さんは、どっちでもないのよ。」
え??とクラスの皆全員が首を傾げている。
私は傾げ過ぎて首が90度に傾きそうだ。
「ど、どっちでもない……とは?」
「う〜ん……何て言うのかな、どっちでもないのよ、とにかく。」
返事が曖昧だな!
ただでさえ月を持ってるっていう自覚も無いのに、能力のかたちもあやふやって……
「詳しい事は、私も知らされていないんだけど
、綺島さんの月はちょっと変わってて、身体的能力の特徴も、精神的能力の特徴も、両方あるって意味ね。」
………どっちの特徴もある、能力のかたち……
「…へぇ、そんなのもあるんだね〜」
「皆、この例を見るのは初めてだったわね。まあ綺島さんみたいなこのケースはほんとに稀なのよ。
今日はとりあえず、精神的能力組の子達と一緒に授業受けてね〜」
「…………はい。」
不思議と、あまり疑問を持たない。
月やら能力のかたちやらで現実味の無い話に触れすぎたからなのかな………
先生がパチンッと指を鳴らす。
と同時に、イスや机が勝手に移動し始めた。
気がつけばあっという間に、教室が2つのグループに分けられている。
「………………転入生」
「!は、はい」
ゲ、
この声は………
「机の上の荷物どけろ。」
「な、なんでさ。」
「いーーからどけろ。」
隣にいたのは、相変わらずとげとげしい口調の誠くん。
よりによってこの人が隣とか、ついてないなぁ……
「はいはい…どけたよ。」
荷物をどけた____次の瞬間、
「ちょ、ちょっ……!何するの!」
ドガッと目の前に大きな靴が。
いやいやいや、人の机に足置かないでくれます!?
ぐぐぐぐと足を押そうとするも、びくともしない。
清々しい顔してるくせに、力強っ……