クールな王太子の新妻への溺愛誓約

唇から声が漏れる。
クレアが抵抗を見せたのは、ほんの一瞬だった。すぐにレオンのキスに応え、体を預けていく。

レオンの後ろでコスナーが「さ、さ、先に行っておりますので!」と駆け出す音が聞こえた。目の毒だと思ったのだろう。

それを意識の遠くの方で聞きながら片手でクレアの腰を引き寄せ、執拗に舌を絡ませる。抱えているバラの甘い香りがレオンの気分をさらに昂らせた。

ひとしきりそうした後、レオンの唇がクレアの首筋へと移動する。一点を強く吸い上げて離すと、バラの花弁のような赤い痕ができた。


「レオン様、おやめください。これからたくさんの人とお会いしなくてはならないのに……」


クレアがその痕を手で覆いながら訴える。


「だからこそ付けたんだ」

「……はい?」


クレアは小首を傾げてレオンを見上げた。


「クレアにはわからなくていい」


もちろん、“クレアは私のものだ”ということを知らしめるためだ。

レオンは優しく微笑むと、もう一度軽くクレアの唇に音を立てて触れた。





END


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