遠い昔からの物語
庭を潰して耕した小さな畑で生った、ひょろっとした胡瓜くらいしか肴はなかったが、彼は若者らしく、ぐいぐいお酒を飲んでいった。
でも、顔色一つ変えず、素面のままに見える。
彼の半分も呑んでいないはずの伯父の方が、とうとう昼間から酔い潰れてしまった。
「お父ったん、この非常時にこがぁな姿、隣組に見られたら、なんて云うんか」
伯母は千鳥足になった伯父を、寝間へ連れて行った。
わたしと彼は、座敷で二人きりとなった。