遠い昔からの物語

安藝子(あきこ)は確か、寅年じゃぁなかったか。刺してやりんさい」

伯父がわたしにそう云った。酒に強くない伯父は、そろそろほろ酔い気分になっていた。

「伯父さん、わたし、寅年生まれではありませんわ」

わたしは首を(すく)めた。

「お役に立てませんので、どなたか寅年の人にお願いされた方が、きっとご利益があってよ」

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