溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜

「あの、千葉さん。どうかしたんですか?」

私、なにか変なこと言ったかな。

「あっ、うん……それってさ、本人から聞いたの?」

言いづらそうに小声で千葉さんが言う。

「え? それって?」
「女嫌いってこと」
「いえ、同僚の男の子から聞きました」
「まじか……たぶんそれ、私のせいだ」

……え? 私のせいって、つまり九条さんの女嫌いは千葉さんのせいだってこと?

独り言のように呟いた千葉さんの言葉に、いくら恋愛に疎い私でもピンと来た。つまり二人は以前そういう関係で、何かが原因で別れ、そのせいで九条さんは女嫌いになった。

……といったところだろうか。

「よし完成! できたよ、目開けてみて」

勘ぐっていると、千葉さんがまるで気にする様子もなく明るい声を上げ手鏡を手渡してきた。

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