溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜
「九条さんは知ってるんですか? その、副業ってダメなんじゃ……」
「知ってるわよ、許可はもらってる」
「そうなんですね」
もう何年も一緒に仕事をしていたのに全然知らなかった。なんだかちょっと寂しい気持ちになる。
「ごめん、ちょっと外してくれる?」
開店準備をする女の子たちにそう告げると、ユリさんは前に座りこみ頬杖をついて私を見据える。
「大丈夫? 少しは落ち着いた?」
「……はい。自分でも驚いてます。こんなにショックをうけるなんて思ってなくて」
「好きなんだ、九条さんのこと」
そう真っ直ぐ問われ、コクンを息を飲む。