溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜
つい昼間そうかもしれないと気づいた矢先に、心は彼でいっぱいで、仕事すらも手につかなくなってしまった。こんな感情があることを今まで知らなかった。理屈じゃないんだ、誰かを好きになるって。
「……私、好きです」
九条さんが好き。そう自覚したのと同時に失恋は決定なのだけど、今更この気持ちを止めることなんてできない。
「西沢、女の顔してる。妬けるなぁ」
……え?
「でもさ、きっと今頃二人は大人の関係になってるわよ。九条さんなんてやめておいたら?」
「え……? ユリさん?」
止められるなんて思いもしなくて、目をぱちくりとさせる。しかも声色もどこか低い気がするのは気のせい?
「私が慰めてあげるから。あんな冷血な男、忘れなさいよ」
「へっ!?」
さらに思いがけない言葉に素っ頓狂な声があがる。慰めてあげるっていったいどういう意味?