溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜


顔に出てた?しかも見られていたとは恥ずかしい。

「なんかいいことでもあったか」
「いいことって言うほどでは……」

あなたのことを考えてニヤついていたなんて絶対言えない。

「そ……そうそう! おばちゃんはあったんですよね! いいこと」

探るような視線にいたたまれなくて、おばちゃんに話題を振る。おばちゃんはえ?と驚いたような表情をした後、そうねぇと柔らかく笑った。

「今度息子さんと旅行に行くそうですよ。親孝行で素敵な息子さんですよねぇ」

言いながら九条さんの方を見る。わずかに眉間にしわが寄ったような気もしたが、気にせず続けた。

「確か息子さん、私と歳が変わらなかったですよね?」
「えぇ、27歳よ」
「おばちゃんに似てます? 写真とかないんですか? 見てみたいなぁ」

そう前のめりに言うと、おばちゃんがポケットから携帯を取り出した。

< 186 / 291 >

この作品をシェア

pagetop