溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜
顔に出てた?しかも見られていたとは恥ずかしい。
「なんかいいことでもあったか」
「いいことって言うほどでは……」
あなたのことを考えてニヤついていたなんて絶対言えない。
「そ……そうそう! おばちゃんはあったんですよね! いいこと」
探るような視線にいたたまれなくて、おばちゃんに話題を振る。おばちゃんはえ?と驚いたような表情をした後、そうねぇと柔らかく笑った。
「今度息子さんと旅行に行くそうですよ。親孝行で素敵な息子さんですよねぇ」
言いながら九条さんの方を見る。わずかに眉間にしわが寄ったような気もしたが、気にせず続けた。
「確か息子さん、私と歳が変わらなかったですよね?」
「えぇ、27歳よ」
「おばちゃんに似てます? 写真とかないんですか? 見てみたいなぁ」
そう前のめりに言うと、おばちゃんがポケットから携帯を取り出した。