溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜


見せてもらうとそこにはおばちゃんにそっくりな青年が写っていて思わず声が上がる。

「似てますね! 爽やかな好青年って感じ」
「そう? もうすっかりおじさんよ、あの子も。彼女もいないみたいだし、結婚だっていつになることだか」

頬に手を当て悩ましげに言うおばちゃん。その顔は普通のどこにでもいるお母さんの顔。
かと思えばちらりと黙って食べ進める九条さんに一瞬だけ視線を向けた後、

「青葉ちゃん、会う気ない? うちの息子と」

やや声を大にして言った。

「母親の私が言うのもなんだけど、真面目で優しい子よ」
「そうでしょうね、おばちゃんの息子さんだし」
「そうだ。せっかくだからどこかで食事でもしましょうよ!」
「あ、はい。いいですね。じゃあ是非今度会わせて……」

そこまで言ったところで隣からガタッと席を立つ音がしてビックリしながら視線を上げる。そこにはどういうわけか席を立った九条さんが私を静かに見下ろしていた。

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