溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜
「えっ、あの、どうかしました?」
きょとんとしながら声をかける。勢いよく立ったせいでテーブルの上を箸が転がっている。
「悪いけど、その話なしにしてもらってもいいですか。福田さん」
福田さん? あぁ、おばちゃんの名前か。
って、ん?どうしてそんなに怖い顔しているんですか、九条さん。しかもなぜか私の手を掴んでいるという。おばちゃんにいたっては、どこか怪しげに笑っているし。
「ちょっと出るぞ、西沢」
「へっ!? なんですか急に! まだ食べ終わっていませんけど」
訴えるものの九条さんは私の声にも耳も貸さず、おばちゃんにそのままにしておいてくださいと告げると、うんともすんとも言わせない勢いで出口に向った。
え……私のさんま! 梅カツオのお味噌汁! 煮豆ーーー!!!!