溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜
「気づいてないのはお前だけだと思うけど」
「えっ⁉︎ そうなんですか!」
ていうか、むしろ誰が知ってるの?
「俺は随分前からお前のこと好きだった」
ストレートなその言葉に、カァッと全身が熱くなる。そんなの微塵も感じなかった。しかもサラッと言っちゃうところが大人だ。
「とりあえず、中に戻らないか。ここじゃバツが悪すぎる」
辺りを見渡した九条さんにつられその視線を辿ると、どうやら注目の的だったらしく、通行人が私達を見ていることに気が付いた。公衆の面前だったことすっかり忘れていた。恥ずかしい。
「ほら、行くぞ」
自然と手を取り私を中へと促す。その足取りはまるで空中を歩いているようなそんな感覚だった。