溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜
「その顔はやっぱりか。ユリは男だぞ。百合川隆二それがユリの本名」
……へ?
声が出なかった。驚きすぎて顔の穴という穴が全開になっていたと思う。
「だから簡単について行くなって言ってたんだ」
ったく、と呆れたように九条さんがなにか色々言っているけど全く耳に入ってこなかった。だってずっと女友達だと思っていた人が実は男だったなんて……。そんなこっとって、
そんなことってあるーっっ!?
「ちょ、西沢! 大丈夫?」
「おい、西沢!」
目の前が真っ暗になって、気が付いたらその場に崩れ落ちていた。ぼんやりとする視界にはイケメンが二人。しかも倒れた私を取り合ってる。
これはまた夢? ううん、お願い夢であって。