溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜


「ね? あるでしょ?」

いっ、えっ! これはもしや!?

「自信あるわよ〜」

ちょ、ちょっと待って……!!

「キャーーッ!!」
「やだー西沢、興奮しすぎ」
「む、むにゅってした! むにゅって!」

そう叫ぶわたしを見てケラケラ笑うユリさん。その側では真壁さんが、硬いほうが問題でしょ、なんて冷静な突っ込みを入れる。

「なにさせるんですかーーっ!! ま、まだ九条さんのも触ったことないのにー!」

テンパりすぎて思わず半泣きでそう叫んでしまったものだから、

「げげっ! まだプラトニック!?」
「やだぁ〜九条さんて意外と奥手なのね〜」

二人はさらに好き勝手盛り上がる。私は握らされたこの手をどうしていいのかわからなくて、その場でオロオロしていた。
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