溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜
◇
「おはようございまーす!」
軽快な足取りでオフィスへと入ると、すでに出勤していたユリさんが振り向きながらおはよ、と返してくれた。
今日も変わらず男の姿のユリさんだが、それにもいつの間にか慣れてしまし、もう女装のほうが幻想だったかのように思えてしまうくらい。
そのくらい男の姿が板についていて、仕草も心なしか男っぽくなっているような気がする。現に今だって、頬杖をついてデスクに向かう私を見つめる仕草が男だ。
「西沢、ついに女になったわね」
目が合った瞬間そう言われて、小さく飛びあがった。どうしてそれを?まさか見てたの!?
「うわぁ~その様子だと図星か~。肌がつやつやだしオーラがピンクだもんねぇ」
「も、もしかしてかまかけました!?」
油断した。すっかり乗せられてしまった。こういうパターンだよ、いっつも。我ながら学習しないなぁ。