溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜
◇
「おはようございまーす!」
帰国した翌日。この休暇で溜りに溜まった仕事を片付けるため、早朝から出社していた俺の耳に届いたのは西沢の明るい声。旅行だったとはいえ、時差ボケも加わり疲れ気味だったが、その声で一気に気持ちが軽やかになる。
両手いっぱいに土産を抱え、デスクに向かう西沢と目が合い目元だけ笑って見せると、瞬時に花が咲いたようにぱぁっと満面の笑みが浮かぶ。
そして「あの」と何か切り出すように口を開いた。
「西沢おかえりー!」
だが俺と同様、彼女の出社を待ちわびていたユリによって遮られた。
「早く座って座って! あんたがいなかったから寂しくて寂しくて」
何か言いたげだった西沢を強引に席に着かせると、早速質問攻めにする。