溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜
「うえーやめてくださいよ! この怪力!」
「誰が怪力よ! せっかく西沢が買ってきてくれたんだから無駄にするんじゃないの」
「うっ、か、からー!!」
そろそろキレ時か?と、思っていると、その騒ぎの中西沢が俺の名前を呼んだ。
「九条さん、あとで福々亭行きますよね? 一緒におばちゃんにお土産渡しましょうね」
屈託のない笑顔を向けられ思わず顔が緩みそうになるが、その声に動きを止めたユリと真壁からの好奇の視線が注がれているのに気が付き、ポーカーフェイスを貫く。
なんとも居心地が悪い。同じオフィス内に恋人がいるというのもよし悪しだなと思いながら黙って頷いた。