溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜
「で、おばちゃんにはなにかったの?」
「フレーバーティーと菓子です。本当は願い事が叶うっていう人形が欲しかったんですけど、売り切れだったんです」
「人形? なにそれ」
「少し前、話題になったやつ知りません? 現地の人が手作りで作っていて、ココナッツの繊維でできてるんです。前にテレビでやってて自分用にもほしかったんですけど」
「へぇ、知らないなぁ。なんていう名前?」
「それがど忘れしちゃって。あ、でもお店に置いてあったディスプレイを写真に撮ってきたんです。見てください」
そう言ってスマホを取り出しユリに見せていた。向こうにいるとき、何件も店を回って探し歩いた。でも結局どこにもおいていなくて残念がっていた。
女ってやつはすぐそういう迷信を信じる。俺にはよく理解できないし、必死に探すものでもないだろうと思いながらも、日が沈むまで付き合ったのはつい一昨日のことだ。