溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜
そんな中、一番に口を開いたのは真壁だった。
「……いい案だと思いますけど、それってAIとかそういう類ですよね」
と真壁が困惑気味に問う。確かに技量が必要になる。真壁には少々荷が重いかもしれない。でもきっといいものになると確信している。
「真壁、すぐにとりかかれ」
「え! まじでやるんすか」
「心配するな、俺も入る」
そう言うと真壁は納得したのか、いつもの軽い調子では〜いと返事をして席へ着く。
「ユリも」
「やけに熱が入ってるわねぇ、九条さん。了解しましたー」
言いながら西沢に一度笑みを向け退席する。
かなり大掛かりなものになるかもしれない。長期戦になるかもしれない。だけどこれだと思った。他のどの会社も作ったことのないもの。それでいて手軽に持ち運べる辞書的なもの。