溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜
「西沢」
完全に縮こまってしまった私を、九条さんがオフィスで呼ぶあの低音で呼んだ。
「は、はい!」
「お前な、そのいちいち萎縮すんのなんとかしろ。気分悪い」
……き、気分悪いって‼︎
じゃあどっか行けよ!他の店に行け!だいたい萎縮するなってほうが無理。その顔も、その口調も、もうあなたの存在自体が怖いんだから!
……なんて心の中で威勢よく叫ぶだけで、口が裂けても言えない私は、小さくすみませんと謝った。
「さっきの乳首の色よかった。とりあえずあれでいく」
「あ、ありがとうございます!」
やった!OKもらえた!ていうか、もうチェックしたんだ。さすが、仕事が早い。
「わかってると思うけど、後でアソコのほうも綺麗にしとけよ」
「は……はい」
ピンクですね、ピンク。
「体毛はないほうがいい」
「わかりました」
指示されたことに淡々と頷く。すると、周りからヒソヒソと話す声が聞こえてきた。