ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】
《今、新種のウイルスが日本を襲っている!?》
「なんだよこれ……くだらない映画とかと一緒じゃん!」
疲れも相まって、一気に気が抜ける。
「やっぱり、呪いなんて存在しないんじゃないか?」
抜けた拍子に、覇気がなくなるタクミ。
ただ、そう信じたいだけなのだろう。
僕自身も、浩介を死に至らしめた罪を忘れようとしているのだから、ドングリの背比べ。
……少し頭を冷やそう。
「なぁ、風呂借りてもいい?」
「チッ、余裕だな」
「…………」
どうせなら、その嫌味ごと洗い流してしまおうと立ちあがった。
シャワーを浴びたまま髪を洗っていると、ふと思い出す。
……そういえば。
さっき、ネットを検索していて見つけた記事。
《風呂場で『ダルマさんが転んだ』と口にしてはいけない。
頭の中で考えるのもダメ。
昔から水場には霊が集まりやすいと云われている。
もしそれを破ったら、“呼んではならない存在”を呼んでしまう》
らしい……。
あのときは呪いのゲームに関係ないと、すぐにページを戻したが、今はタイムリーすぎる。
「ハハッ、んなことあるか!」
目を閉じて、頭の中で唱えてみる。
……ダ・ル・マ・さ・ん・が。
「ころんだ!!」
瞬時に振り向くと、そこには……。
「でしょうね!」
なにもない。
だが、見つけたものは、もうひとつ。
《部屋にひとりでいるとき、誰しも一度は感じたことがあるだろう。背後からの視線を。
意を決して振り返ると、たいてい誰もいなくて、安堵するのがオチ。
だが実はその視線、うしろからではなく、“上”からだとしたら……》
「ッ!」
すぐに上を見た。
「…………」
案の定、そこにはなにもない。
……アホらしっ!
こんなことをしている自分がはずかしくなり、適当に身体を洗って、お湯の蛇口を締める。
タオルで髪を乾かしながら、タクミの部屋でひと息ついていると、急激に睡魔に襲われた。
「わりぃ、少し寝るわ」
「んだよ! 帰って寝ろよ!」
いかにも機嫌が悪いタクミをよそに、ベッドで大の字になる。