ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】
「あぁ゛もう! 見つからない!」
僕を起こしたのは、大きな落胆の声だった。
おもむろに片目だけを開けると、時計の針はL字型に近くなっていた。
起きあがるのが面倒だった僕は、垂れたヨダレを手でぬぐいながら助言する。
「タクミもシャワー浴びてきたら? 出る頃には3時半、霊も風呂場までは襲ってこ*&$#……」
半分眠ったまま、自分でも訳のわからないことを言う。
要するに、昨夜の罪の意識など、すでに忘れていた。
「よしっ! シャワー浴びてくる」
浅い眠りの中でもわかる。タクミが部屋を出たこと。
廊下の先で、浴室のドアが閉まる音。
やけに陽気な鼻歌まで。
……ッ゛ッ゛!?
眠っていた僕は、金縛りに気付いて意識が醒めた。
……な゛、なんだ!?
どうあがこうとしても、身体が動かない。
……これが金縛り!?
人生初。正直、怖いというより感動に近い。
【脳は起きているが、身体が寝ている。疲労や緊張・潜在的ストレスが引き起こす全身のツリ】
なにかの本で見たそれを、僕は今、体感している。
トッ、トッ――
キューーーーーッ――
トン――
キューーーッ――
その真っ只中、フローリングに皮膚が擦れる音がした。
……目は開けられる。
横目で時計を見た。
時刻は、3時4分。