ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】



3時35分。

呪いのゲームが示唆する脅威の時間はこうして終わった。

しかし、それにしても遅い。

タクミが一向に、脱衣所から出てこないのだ。

「おーい、まだか?」

なんの気なしにドアを開けると、

……あれ?

彼の姿はなかった。服はあるのに。

床を連なる水滴を追うと、玄関でプツリと途絶えている。

「まさか!?」

――ガチャ。

ドアを開けると。

階段まで、くっきりと浮かびあがる足跡。

……アイツ、裸で!?

財布や携帯も持たず、すぐさま下に降りた。

「タクミッ! タクミィー! ……ッチ、どこ行ったんだあのバカは!」

遠くから、こちらに向かってくるサイレンの音がする。

ほどなく、前の大きな通りを、1台のパトカーが猛スピードで横切った。

嫌な予感がして追いかけると、50メートル先のコンビニの前で停車。

機敏に車から降りてくる警察官に、ひとりの女性が駆け寄る。

興奮気味に話すその様子に、僕も思わず足を速めた。

「で、その人、裸だったんです!」

「ほう。上も下も?」

「……は、はい。しかも裸足で! お風呂からそのまま出てきたって感じでした。あの目は普通じゃなかったです!」

「う~ん。その男はどっちに?」

「あっちです」

女性が指を差すのは、明かりのない暗い路地。

……よし。

見つかるリスクは少ない。

警察より早く捕まえて、タクミを家に連れ戻さなければ。



 
< 48 / 172 >

この作品をシェア

pagetop