ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】



「あ゛ぁ゛……痛い、痛いよ゛ー」

「タ……クミ?」

それは、裸であっても生まれたときとはほど遠い、変わり果てた姿の彼だった。

「た゛す゛け゛て゛……」

窓から射す月明かりは、無惨に転がる手足を照らす。

スッパリと切れた断面から見える太い骨と赤い肉に、胃液が込みあげ、

「ううぅ゛っ!」

僕は思わず口に手を当てた。

「死に゛た゛く゛な゛ぃ……」

   ズッ──
ズサザザザズサザッ──

残された胴体と頭で、タクミは必死に訴えた。

「タ……」

にも関わらず、名前さえ呼んであげることができない。

手で物を掴み、その足で歩く彼を見てきた僕にとって、眼前の姿を現実として受け止めきれていないのだ。

「ん!?」

と、窓の向こうが色を変えた。

遠くで、点滅信号のように光る淡い赤。

……さっきのパトカーが来る。こうしちゃいられない。

「もう大丈夫だ! すぐに救急車が来るから!」

タクミは僕の視線を目で追う。

「た……助かる゛?」

「あぁ! 腕や足だってきっと、もとどおりになるさ!」

希望の光と救いの言葉に、タクミは気を失った。



 
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