ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】
「ごめんごめん!」
「あのー、例のやつって?」
「ぇ!? 聞いてたの?」
「すみません。もしかして、これが関係してます?」
携帯に保存したあの掲示板を見せると、宇治木は盗み聞きしたことを咎めなかった。
それどころか、なんともいえない表情をしている。
「関わらない方がいいって言ったのに……一応訊くけど、キミはやったりしてないよね?」
「まさか~」
「……本当に?」
瞬時に目つきが変わる。網膜が焼けるような強い視線。
ここがもし取り調べ室だったら、思わず自白していただろう。
今になって、彼が刑事であることをまざまざと痛感させられる。
「やだなー。信じてくださいよ!」
「なら、いいんだ」
渡した携帯が返ってくると、すかさず宇治木が問いかける。
「で、訊きたいことってなに?」
……ふぅ~。平常心、平常心。
東京まで来たんだ、このチャンスを無駄にするわけにはいかない。
ダムが決壊したような勢いで話すと、彼も神妙な面持ちで返した。
「そっか……県警は親身になって動いてくれないんだね?」
「そうなんです! またひとり犠牲者が出たっていうのに……」
「わかった。県警には話をしておくよ。『もっと気合を入れろ!』ってね」
――ポンッ。
肩に置かれた手が、すごく大きく感じた。
「それと……」
無理だとわかっていても、頼みたいことがある。
「ん?」
「……菜摘が逮捕されたら、彼女と話をしたいんです。ふたりだけで」
これには、さすがの宇治木も困惑顔。
「ふたりだけで?」
「はい。妹をなんで殺したのか、その真意を知りたくて……」
「面会じゃダメなの?」
「それだと、弁護士に入れ知恵されたあとかもしれないから」
「なるほど。でも、それはいくらなんでも、僕の力じゃ無理だな」
「……ですよね」
くそっ! ある目的を達成するためには、その条件が必要だったのに……。
やはり、僕が先に捕まえるしか方法はない。