ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】
「じゃ、仕事に戻らなきゃ」
背中を向ける宇治木。
……ぁ!
「もう1つ! あと1つだけ……」
焦って声を掛けた僕に、ジャケットのボタンを留めながら応える彼。
「どうした?」
「終わりの儀式って、小指を犠牲にしなくちゃいけないんですよね?」
「…………」
宇治木は肯定も否定もしない。
呪いだの儀式だの、そういう類いに直接言及すれば警察の威信に傷がつく。
警察官というのは難しい立ち位置だ。
僕は構わず続けた。
「他にないんですか? 傷を負わなくても助かる方法って」
すると、宇治木はポケットから手帳を取り出して、ペンを走らせる。
――ビリッ。
豪快に破ると、僕に差しだす。
「飛鳥(あすか)病院……なんですか、これ?」
紙には病院の名前と、おそらく病室を示す3桁の数字。その下には、ひとりの氏名が書かれていた。
「行けばわかる。きっと力になってくれるはずだ」
宇治木はそう言うと、再び背中を向けて車に乗りこむ。
現場から去る直前、こっちを見て小さくうなずいた。
『答えはそこにあるぞ!』
僕にそう言っているような無言の激励。
野次馬の渦から抜けだし、すぐに電話をかける。