ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】
バスを降り、渋谷駅に向かう途中。
はやる気持ちを抑えきれず、スクランブル交差点の信号が変わる前に歩きだす。
「どうぞ」
……ぁ。
改札前で、また悪いクセが出た。
目の前に差しだされると、ついつい受け取ってしまう、ほとんど使いもしないポケットティッシュ。
もらったことを忘れたまま洗濯に出し、母がネチネチ言ってくる。
でも今回、無意識に受け取ったのは1枚の紙。
……どうせヘンな広告だ……ろ。
「え゛!?」
心臓が止まりかけた。足は完全に止まった。
「呪われし禁断のゲーム!?」
紙に書かれていたのは、あの掲示板そっくりそのまま。
とっさに振り返ると、せわしなく行き交う人々へ、手当たり次第に紙を配るひとりの女。
“帯”のない白装束に、長い髪。
……磨理子さん!?
うしろ姿は、手足の生えた彼女そのもの。
しかし、顔が見えて、俺はさらに驚愕した。
「さ、沙奈!?」
……たった1日で?!
髪が、ありえない長さに伸びている。
「ドウゾドウゾドウゾドウゾドウゾドウゾ」
一筆書きの星を描くように颯爽と動き回り、その肩に手を置くのがやっと。
「沙奈!」
掴んだまま、彼女の正面に回った。
下からのぞきこむように顔を見て、絶句する。
目の下のクマ。シミ。血色の悪い肌。生気のない瞳。
沙奈でまちがいないが、今まで見てきた彼女でもない。