長い夜の終わりにキスを



ゴホン、と咳を一回し、私たちの視線を集めると彼はもう一度話し出した。
「むっ。わしは今アベルとアリアに任せようと思っていたクエストの話をしていたんじゃ。」

ギルドマスターのその言葉に、私は変な声が出る。


「...ぅえっ!?」


...多分、いま私は声だけはなく顔もだいぶ間抜けなことになっていたと思う。

「アリア...ぶっ...やば、顔...!!」
ブクククク...!とアベル君は笑うのを堪えるのに必死、という風だ。
それを見て一気に顔に熱が集まるのを感じる。


「あ、アベル君!!」
恥ずかしさでつい声が大きくなってしまうが、アベルに”何も言わないで”という必死の意思表示をする...が。

「いやだって...!ぶっくく...!か、顔...!間抜けすぎ...!!!」

当の本人には全く伝わっていないようだ。


「あぁもうだめだ!」と言い出したかと思えば最後アッハハハ!!!と今度は堂々とお腹を抱えて笑い始めた。


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