長い夜の終わりにキスを




「そんな...。」


そんな私たちの様子に「どういうことだよアリアちゃん!それにマスター!」とオルトさんが声を上げた。

オルトさんからしたら、わけがわからないだろう。


その声にあわせて、私は話し始めた。
「...まず初めに、ユーカリアって知っていますよね?」

__ユーカリア。

年中咲いていて、枯れることのない不思議な木。
その葉と幹は淡いオレンジ色をしていて、その木を見るとなぜか懐かしい―――ノスタルジックな気分にさせられる。


「ああ、しってるも何も、この国のシンボルの一つだろ?」

―——そう、ユーカリアは “人々の心を動かす木” としてこの国のシンボルの一つになっている。

オルトさんの表情はそれがどうしたんだ?と言いたげだ。


「それじゃあ、ニジイロアゲハ蝶も知っていますよね?」

再度問うと、またオルトさんは当然だといわんばかりに「ああ。」とだけ。


―——ニジイロアゲハ。

名前通りに羽が虹色に輝いていてその輝きは見たものを必ず魅了する、といわれている蝶。これもまた、この国のシンボルの一つだ。



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