四面楚歌-悲運の妃-
その行動に軍妃達は崙矣を驚き見る。
全体演習でも無表情で無口の崙矣が、積極的に言葉を発したのだ
軍妃達が驚くのは無理もない。
誰もが唾を飲み込み崙矣の次の言葉を待つ。
「一つだけ言っておく。」
低い声色でゆっくりと吐き出された言葉は、その言葉の先に何を言うのかをさらに恐怖させ
軍妃達を強張らせた。
崙矣はゆっくりと瞼を閉じ、一呼吸すると口を開いた。
「優先すべきは己の命ではない。
陛下と皇后様のお命だ。」
軍妃にとって当たり前の事であるその一言は、軍妃達を震え上がらせた。
今まで死の覚悟をする事のなかった軍妃を、置かれた立場をわからさせるには申し分がなかった。
このまま何も言わずに刺客と戦えば、その時にはじめて死を覚悟するというよりは、そう思う前に命はないだろう。
実際に今ここで気づかせたとしても、その場になってさらに気づかされる事になる
「なに、どうすればいいのだという事はない。
2つにひとつだ。」
己の命をも守りたくば、強くなればいい事。
それが出来ぬのなら、命をもって盾となれ。」
付け加えられた言葉に軍妃達は息を止めた。