四面楚歌-悲運の妃-


脅迫のように冷たく言い放れた言葉だが、これは崙矣の優しさだ。

優しさだと捉える事を軍妃達は出来ないだろうが、軍妃達のためにも、脅しだと思われていたほうがいい。



『戦ってみれば身思って知ることになる。
陛下のお目に留めて頂けるのではないかという気持ちだけで、その場にたったことを。』



言葉を発する事さえも忘れてしまったようになった軍妃達に、追い打ちをかけるように言う。

その言葉に目を覚まされたのか、柳瓏華が椅子を立った。


「そ、そんな心持ちだけでこの場に来たのではありません。」


柳瓏華に触発されたのか王花加と韋珪も立ち上がり賛同する。

尹と祁嗄はどうすればいいのか迷いながらも、無言で立ち上がった。


「仮にそなたらがそうであっても、部隊の者達皆がそうなのか?」


崙矣が問いにまた、室内が静かになる。

このたびの追加増員はこの者たちだけではなく、この者達が率いる五つの部隊だ。

護衛に就く際各部隊ずつであり、指揮官はこの者達だ。

部隊の誰か一人でも恐怖で体制を崩すことになれば、総崩れになり陛下や皇后様をお護り出来ぬだけではなく、自らの命もない。


一部隊の将なれば、各部隊付きの軍妃官に指揮の執り方や、部隊としての体制を学んでいるはずだ。





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