四面楚歌-悲運の妃-
今日は珍しい事が良く起こる日だ
笑い声の主は崙矣だった。
「ふははは…は…尹、もうよい。
何を言うてもこの者達には通じぬらしい。
…刺客達と殺りおうてから、同じ事が言えるか?
何もわからぬのに偉そうな物言いをするな!」
笑い声が狂気に満ちていく様は、私や他の四天王達も震える程だった。
今日の崙矣には頭が上がらない。
私がせねばならぬ事を崙矣がやってくれたのだ。
話しはこれ以上する必要はない。
呆然と立ち尽くす柳瓏華達を尻目に、席を立つ。
『私をよく思っていなくとも、軍妃になった以上、己の使命を全うせよ。
護衛に関する事は追って沙汰を待て。』
すれ違いざまにそう告げ、尹や祁嗄には笑みを向け、四天王達と室を去った。