四面楚歌-悲運の妃-


私と崙矣の言動や行動が五人の将達にとってすべて正しいわけではないだろう。



それでも私達は今出来る限りのことをし、出来る限りの事をやらなければならない。


「冥紗、崙矣、すまない。」


室を出てしばらく歩いたところで、私と崙矣の後ろを歩いていた晏惟が言った。


振り返ると、謝った晏惟だけではなく、悒雉と椰犀までもが顔を俯かせていた。


「私達は何も言えず二人にまかせっきりだった。」


「なんだ、そんなこと謝ることではない。
私も冥紗も、己が出来ることをしたまで。
私と冥紗が出来ぬことを、そなたらはできる。」


崙矣の言葉に私も笑顔で頷き返すと、三人の顔に笑みが戻る。


再び歩き出し、隣に歩く崙矣に話しかける。


『ありがとう、崙矣』


それに対して崙矣は何も返さなかったが、口元が少し緩んだ。



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