さまよう爪
向かいに座っている瀬古さんに、顔を近づけた。
声を低くする。
「あの、いつもああなんですか?」
「さあ?」
ひょうひょうと答える瀬古さんに顔をしかめる。
「さあって、なんですその初めて来たみたいな」
あやしい。もしかして……
「うん、初めてだよ。先週の夜に大通歩いてたら、この店のチラシ配ってるの貰ったんだ。試しに行ってみようかなって思って」
ニヤリと戯っ子のように口角を上げて彼は言う。
ああ、やっぱり。
しかし試しに行くのにわたしを誘ったのか。
瀬古さんは尻ポケットから丁寧に小さく折り畳まれた紙を出した。
たどたどしい日本語で書かれたチラシのリアルな満面の笑みのインド人っぽいイラストに目がいく。
声を低くする。
「あの、いつもああなんですか?」
「さあ?」
ひょうひょうと答える瀬古さんに顔をしかめる。
「さあって、なんですその初めて来たみたいな」
あやしい。もしかして……
「うん、初めてだよ。先週の夜に大通歩いてたら、この店のチラシ配ってるの貰ったんだ。試しに行ってみようかなって思って」
ニヤリと戯っ子のように口角を上げて彼は言う。
ああ、やっぱり。
しかし試しに行くのにわたしを誘ったのか。
瀬古さんは尻ポケットから丁寧に小さく折り畳まれた紙を出した。
たどたどしい日本語で書かれたチラシのリアルな満面の笑みのインド人っぽいイラストに目がいく。