友情結婚~恋愛0日夫婦の始め方~

家に帰ってのぞみは昼寝。

琢磨が何やらキッチンでゴソゴソしている音が、夢と現実の狭間から漏れ聞こえてきた。

夕方四時頃目を覚ますと、すでに洗濯物は取り込んであり、キッチンからはいい匂いが。

琢磨はソファで本を読んでいる。

のぞみはロフトから降りた。

「すごい寝るな」
「そう? まだ四時じゃん」

のぞみは大あくび。
それから匂いにつられてキッチンに向かった。
コンロの鍋を覗きたいが、圧力鍋が開けない。

「ねー、これ、何作ってんの?」
「シチュー」

ソファから声が聞こえた。

「ほんと、まめな男だねえ」
冷蔵庫からビールをだし、リビングに出た。

「もう飲むのか?」
琢磨が目をまるくする。

「だって、休みだよ? なんで飲んじゃダメなの?」

琢磨は黙って、ちょっと考える。

「かもな」
のぞみの目がぱっと輝いた。

「飲む?」
「飲む」

冷蔵庫から冷えたビールを取り出し、琢磨に手渡した。

「のぞみは、洗濯物たたんで」
「いいよ。あとでね」
「いや、今」

ごくっとビールを飲んでから、琢磨が言った。

「えー!?」
のぞみが抗議の声をあげると、琢磨は睨む。

「昼寝したんだから、いいだろ?」
「……はあい」

のぞみはビールの缶を床に置いて、しぶしぶ洗濯物を畳みだした。
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