元帥閣下は勲章よりも男装花嫁を所望する

『任命されてしまったものは仕方ない。せいぜい好きなようにやるか』

レオンハルト様はなかなか自分が国の最高権力者となる実感がわかなかったみたい。

戦場で数々の勝利をおさめてきた彼だけど、国の政治となると勝手が違うだろうということは理解できる。

『大丈夫ですよ。レオンハルト様には仲間もいますし、優秀な副官がついていますからね』

『それ、お前のことか?』

『他に誰がいますか』

本気で言っているのに、レオンハルト様は笑った。幼い子供に対するようなゆっくりした口調で彼は言う。

『あのな、ルカ。俺が皇帝になったらお前はもう副官じゃない』

『え……』

やっぱり私じゃ、一国の皇帝の補佐役としては不十分なのかな。しゅんとしてしまうと、レオンハルト様が立ち上がった。

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