元帥閣下は勲章よりも男装花嫁を所望する

そんなこんなで、突然レオンハルト様と同じ部屋で寝ることになった私。

彼専用の大きなソファに体を横たえたけど……。

「眠れるか……」

口の中で小さく言って、むくりと上半身を起こす。

私を寝かせてくれないのは、クリストフによる心的外傷よりも、翌日にとうとう敵軍と衝突するという緊張と興奮のせいだった。

あのあと幹部だけが集まった夕食の席でレオンハルト様から聞かされた作戦は、とんでもないものだった。

果たしてそんな作戦が本当に成功するのか。頭の中でシミュレーションすればするほど不安になってくる。

けれど他の幹部は誰一人、彼の作戦を否定しなかった。それはレオンハルト様が今まで積み重ねてきた功績による信頼の賜物だろう。

ちらとレオンハルト様のベッドの方を見る。彼は長身を横たえ、静かな眠りについていた。

私も再び横になり、まぶたを閉じた。眠れなくても、体は休めておかなくちゃいけない。

しかし真っ暗になった視界に、不意に一年前のレオンハルト様が現れた。

運命とは、なんと意地悪なのか。

女として生まれた人生を否定され、男と生きることを強要され、初恋の相手に、「あなたが惹かれたのは本当は私なんですよ」と言うこともできない。



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